2017年06月05日

がじまん第359号

お知恵を拝借
南ふう

 たとえば週一回、お昼を一緒にする仲間がいるとしよう。Aグループは毎週ハンバーグ定食と決めていて、Bグループは日替りランチ。「二週間前のお昼のおかず、何でした?」と質問されて、思い出しやすいグループは? たぶんBは「えーっとエビフライ…いや、それは先週だったかな、野菜炒め?」と、うろ覚えの可能性が高い。
 合同エッセイ集のタイトルも、それに近いように思える。二年前のタイトル、えーっと『サバニ』だったか、いや『サシバ』…? 
そういう意味で、我那覇会長の「合同エッセイ集のタイトルを一つに決めてはどうだろうか」という提案は、盲点を突かれたような気がした。たしかに創刊からこれまで、毎回タイトルを変えるのは慣例だったから、なんの疑問も抱かずにそうしてきた。だが、毎回違うタイトルは新鮮ではあるが、購入する方としてはどうなんだろう、と。
 エッセイ集を創刊した時点で、こんなに長く続くと想像された方が、何人いただろうか。沖縄らしいタイトルもだんだん底をつき、あるにはあっても、沖縄料理店やスナックに使われるような名前になっていきそうな気配も。
 私は、いつも贈呈している何人かの知人に尋ねてみた。すると、やはりタイトルは一つの方が覚えやすいという意見が多かった。本棚にずらりと違うタイトルとそれに見合った装丁が並んでいるのは壮観で、きれいではあるけれど、という但し書きつきで。
のんびり構えていたら、すぐに総会の時期になってしまう。タイトルを固定するか毎年変更するかが決まらないと、次のエッセイ集の名前がないのだ。
 もしも名前を固定すると決まった場合、今後ずっと使うことになる。愛着がもてて、名は体を表す素敵な名前…私も無い知恵をしぼっているところだ。これまで一度使った名前から選ぶとすると、創刊号に敬意を表するなら「蒲葵の花」、多くの作品が集まっているという意味を含むなら「群星」や「ゆい」。それらもいいけれど、これまで使ったことのない名前だと、どんなものがあるだろう。ウチナーグチの語彙が貧弱な私には、交差点を意味する「あじまぁ」しか思いつかなかったが、もっと相応しい名前があるはずだ。
 あるいは「沖縄エッセイストクラブ作品集2018」のように、クラブ名と発行年を目立たせる案もある。タイトルを固定して表紙絵に力を注ぎ、毎回芸大生に沖縄らしいイメージの絵を応募してもらうなど、若年層へのアピールを兼ねるのも面白いかもしれない。
ぜひともみなさんの、お知恵を拝借。


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Posted by 沖縄エッセイスト・クラブ会員 at 00:00 │会報がじまん作品集名称変更経緯