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2021年08月10日

がじまん第428号-2(Essay 460)

見えないストレス
南ふう 

 朝、ベッドを離れる時「今日は〇月〇日、〇曜日」と声に出す。その後に「出勤日です」あるいは「週休です」または「在宅勤務の日です」と続ける。それをしないと、老化した頭では分からなくなるから。
 職場での密を避けるため、緊急事態宣言発令中は在宅勤務のシフトが組まれる。上司は業務を配分し諸々の準備を行うなど負担が増える。在宅勤務をする私たちだって楽じゃない。データの入ったパソコンを持ち帰るのに細心の注意を払うし、職場のパソコンはディスプレイが大きくて重く、運ぶのに腕や肩が痛い。とにかく余計な作業が増え、けっこうなストレスだ。在勤に入る前には職場のカレンダー(紙)とスケジュール表(電子)など数種に「在勤」と記入。在勤明けには、また重いディスプレイとパソコン本体を、雨ならビニールを被せて梱包し、職場に持って行く。自宅で作業したデータを職場に戻すにも、複数の手順が……。
 そしてまた緊急事態宣言。その繰り返しだ。もちろんもっと大変な職種も多いのだから、この程度で文句は言えない。
 ところで新型コロナのワクチンを二度接種しても、マスクを外して普通の生活に戻れるわけではなかった。抗体ができたということは、本人にウイルスが入っても発症しにくいだけで、他人にうつすリスクがある。つまり、感染していても無症状の若者と同じようなものだという。なんだ、集団免疫の獲得まで、当分の間は、以前の日常が戻ることはないのだ。
 そんなこんなで、コロナ禍のストレスが溜まっていく。合評会がどうなるのかハラハラするのも、ストレスだ。合評会の開催・中止、二種類の「がじまん」を準備しておかなければならない。感染爆発を懸念していた通り、八月二十二日までの緊急事態宣言が再延長、八月末までとなった。やっぱりというか、七月に続き八月も「合評会中止」に。今後も懸念は続く。
 それでも七月三日に運営委員会をもち、「紙上合評会」の体裁を整えていてよかった。これまでは中止による合評作品繰り下げで、年間合評計画を再考する必要があったが、その作業がなくなった。ただ、「合評表」を会員に配る作業が増える。それで、次の作業を止めることにした。「がじまん」を開封しない人もいることを耳にして、封筒に「〇月の合評会は中止です」と印刷した紙を貼ったり、会員エッセイの当番を忘れそうな人には一筆箋を入れたりしたことだ。過剰な親切はお節介で、各自の自律性を奪っていたかもと反省。開封せずに起こった失敗は当人の責任だし、エッセイ当番も三ヶ月前から載せている。後で送ってくれても、当番以外が書いてくれても、ケセラセラだ。
 とにかく十分な睡眠をとり、コロナ禍の見えないストレスを軽減しよう。翌朝はまた「今日は〇月〇日」で、一日が始まる。
 さて、七月分が初めての「紙上合評会」となったわけだが、反応は如何に?


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