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2002年10月13日

がじまん創刊号

実りの秋 ― 創刊号に寄せて
―  ノーベル賞と創造の神クワオアー ―              
島元巖

 十月八日、ミーニシが吹いた。沖縄の秋到来である。翌九日の新聞は、小柴俊敏・東京大学名誉教授のノーベル物理学賞受賞を報じている。十日の新聞によると、島津製作所の田中耕一氏もノーベル化学賞を受賞した。九日の新聞は、新天体発見を報じている。発見された新しい惑星は、「クワオアー」と命名された。その「クワオアー」とは、米国先住民の「創造の神」の名だという。
 新天体の発見は、一九三〇(昭和五)年に発見された冥王星以来の大発見だという。これまで、太陽の周囲を、楕円軌道を描いて運行する比較的大きな天体(惑星)は、太陽に近い方から、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の九つだと言われてきた。発見された新惑星は、冥王星よりもさらに外側を回るもので、二百八十八年もかけて太陽の周りを一周するという。因みに、わが地球は、三六五日と五時間四八分四五・六四八秒~で太陽の周りを一周するという。ともあれ、この秋は、まさに「創造と発見の実りの秋」である。
 ところで、わが「沖縄エッセイスト・クラブ」は、一九八二年(昭和五七年)九月十三日に結成され、去る九月で満二〇年を迎えた。人間でいえば成人に達したことになる。このへんで、当クラブも脱皮を図る必要がありそうである。そこで毎月の合評会の持ち方を変えてみた。出席者には、ノーベル賞の受賞者やクワオワーにあやかり、毎月の合評会で新しい発見と収穫があるよう念じている。毎月の合評会が、会員にとって待ち遠しいものになり、和気あいあいとした中にも、切磋琢磨する真剣なものになるよう願っている。惑星が楕円軌道上を周り続けるように、われわれも、また、ずっと活動を続けたい。「コマは回っている間は倒れない」というから。
 本クラブの会報(通信)を「がじまん」と名付けた。名称については、広く会員から募ったのであるが応募はなかった。そこで、会長が「がじまん」と名付けた。沖縄の風土に深く根を張り、思い切り枝を広げ、涼しい木陰をつくってほしいと願っている。


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