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2003年02月13日

がじまん第12号

大きな古時計
島元巖

 春の選抜高校野球大会(三月二十二日開幕)に、宜野座高校の出場が決まった。まずは、めでたい。ひと暴れ、ふた暴れもして、全国にその存在をアッピールしてほしい。ところで、その時の開会式の入場行進曲は、「大きな古時計」に決まったという。

1 大きなのっぽの古時計 おじいさんの時計
  百年いつも動いていた ごじまんの時計さ
  おじいさんの生まれた朝に買ってきた時計さ
  今はもう動かないその時計
  百年やすまずにチクタクチクタク
  おじいさんといっしょにチクタクチクタク
  今はもう動かないその時計

2 なんでも知っている古時計 おじいさんの時計
  きれいな花嫁やってきた その日も動いていた
  うれしいことも悲しいことも みな知っている時計
  (くりかえし)

3 真夜中にベルがなった おじいさんの時計
  お別れがきたのを みなに教えたのさ
  天国へのぼるおじいさん 時計ともお別れ
  (くりかえし)

 この同様は、昨年、全国的にヒットしたものである。外国でもヒットしたらしい。シマンチュヌ タカラ(島人の宝)とともに、沖縄でも流行した。保育園の園児たちまで歌っていた。
 私がこの童謡を聞いたのは九月ごろで、孫が通う保育園の行事でのことであった。その時、「天国へのぼるおじいさん 時計ともお別れ」と歌うのを聞いて、おじいさんの私は、一瞬、しんみりとなった。この歌は、おじいさんには喜ばれないな、と思った。でも、よくよく聴いてみると、主人公の「おじいさん」は、どうやら百歳まで生きたようである。とすると、この童謡は、「百歳までも長生きしてほしい」と、おじいさんを励ます応援歌とも解釈できる。
 モノは考えよう。孫に、毎日、歌ってもらおう。


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