2009年11月20日
がじまん第178号
夢農園
このようなことを夢見た。
都会の雑踏から離れて、自然の中でゆっくりと過ごせる場所があれば、どんなに素敵だろうな。人間らしい生き方ができる、夢のような農園があればいいな!
そういう農園があれば、午前中は―畑で旬の野菜や花、トロピカルフルーツを作ってみたい。農業は経験がなく、まったくの素人なので、傍に教えてくれる人がいて、播種や肥料の施し方など、収穫までの栽培方法を指導してくれれば有難い。
昔ながらの、安全、安心、美味の作物を作りたい。自然は厳しく、特に沖縄は湿度が高く、虫や菌の発生も多く大変だとは思うが、ここはやはり無農薬・有機栽培に拘りたい。土作りをしっかりして土壌を肥やせば、虫や菌にもびくともしない作物ができるらしい。
自然と向き合い、自然の怖さ、有り難さを感じながら、生きている実感の汗を流したい。
農機具や種苗、肥料など必要なものは揃っており、私のいない間は面倒をみてくれる人がいれば助かる。要するに、手前勝手で厚かましいようだが、あまり疲れないで、楽しめる農業がしたいのだ(篤農家に叱られそうだ)。
午後は――一風呂浴びてさっぱりとし、仮眠をとるなどして、ゆっくりと休む。夢農園には、シャワー室や休憩室も完備している。
それから、農園内の食堂で昼食をとる。朝、取れたての野菜、農園放し飼いの鶏の卵、自然循環のアグー豚などの食材を使った、どこのレストランもまねできない、絶品の味を堪能する。デザートには、農園栽培のトロピカルフルーツで作った、お手製のジャムやお菓子がでる。極上のスイーツの味を楽しめる。
さて、気持ちの良い汗を流し、休息をし、美味しい料理で栄養をとり、気力を充実した後は、いよいよ、好きな事(趣味)に取り組む。
夢農園には、小体な喫茶店がある。心地良い音楽を聴きながら、コーヒーを味わい、本を読む。夢農園には、ちょっとした図書館もあり、仲間が持ち寄った、個性豊かなジャンルの本が揃っている。本はそこで借用する。
林の中の休憩所や木陰の椅子もある。絵を描いたり、俳句を捻ったり、エッセイを書いたり、囲碁を囲んだり、雑談に興じたりする。自然の中での友との語らい、ワクワクする。
夢農園の仲間には、その道のスペシャリストがいる。その特技をほっとく手はない。みんなの為に供出してもらおう。というわけで、その人を講師にして趣味を広げる。趣味が増えれば、新しい友が増え、生きがいも増え、とても孤独に落ち込んでいる暇などない。
こんな贅沢、独り占めにしたら神様の罰があたる。知人も夢農園に誘ってやろうか。
夢を語れない人生は寂しい。語れる友がおり、語れる場所があれば、他には何も望まない。
――こんな農園、だれか作ってくれないかな!
野原敬二
このようなことを夢見た。
都会の雑踏から離れて、自然の中でゆっくりと過ごせる場所があれば、どんなに素敵だろうな。人間らしい生き方ができる、夢のような農園があればいいな!
そういう農園があれば、午前中は―畑で旬の野菜や花、トロピカルフルーツを作ってみたい。農業は経験がなく、まったくの素人なので、傍に教えてくれる人がいて、播種や肥料の施し方など、収穫までの栽培方法を指導してくれれば有難い。
昔ながらの、安全、安心、美味の作物を作りたい。自然は厳しく、特に沖縄は湿度が高く、虫や菌の発生も多く大変だとは思うが、ここはやはり無農薬・有機栽培に拘りたい。土作りをしっかりして土壌を肥やせば、虫や菌にもびくともしない作物ができるらしい。
自然と向き合い、自然の怖さ、有り難さを感じながら、生きている実感の汗を流したい。
農機具や種苗、肥料など必要なものは揃っており、私のいない間は面倒をみてくれる人がいれば助かる。要するに、手前勝手で厚かましいようだが、あまり疲れないで、楽しめる農業がしたいのだ(篤農家に叱られそうだ)。
午後は――一風呂浴びてさっぱりとし、仮眠をとるなどして、ゆっくりと休む。夢農園には、シャワー室や休憩室も完備している。
それから、農園内の食堂で昼食をとる。朝、取れたての野菜、農園放し飼いの鶏の卵、自然循環のアグー豚などの食材を使った、どこのレストランもまねできない、絶品の味を堪能する。デザートには、農園栽培のトロピカルフルーツで作った、お手製のジャムやお菓子がでる。極上のスイーツの味を楽しめる。
さて、気持ちの良い汗を流し、休息をし、美味しい料理で栄養をとり、気力を充実した後は、いよいよ、好きな事(趣味)に取り組む。
夢農園には、小体な喫茶店がある。心地良い音楽を聴きながら、コーヒーを味わい、本を読む。夢農園には、ちょっとした図書館もあり、仲間が持ち寄った、個性豊かなジャンルの本が揃っている。本はそこで借用する。
林の中の休憩所や木陰の椅子もある。絵を描いたり、俳句を捻ったり、エッセイを書いたり、囲碁を囲んだり、雑談に興じたりする。自然の中での友との語らい、ワクワクする。
夢農園の仲間には、その道のスペシャリストがいる。その特技をほっとく手はない。みんなの為に供出してもらおう。というわけで、その人を講師にして趣味を広げる。趣味が増えれば、新しい友が増え、生きがいも増え、とても孤独に落ち込んでいる暇などない。
こんな贅沢、独り占めにしたら神様の罰があたる。知人も夢農園に誘ってやろうか。
夢を語れない人生は寂しい。語れる友がおり、語れる場所があれば、他には何も望まない。
――こんな農園、だれか作ってくれないかな!
Posted by 沖縄エッセイスト・クラブ会員 at 00:00
│会報がじまん