2012年12月05日
がじまん第251号
初体験
昨年十一月、徳島県で業界の全国大会が開催された。全国から約一千人の会員が参集した盛大な会合だった。
大会のプログラム中、オープニングセレモニー、特別講演、会議終了後の懇親会でのアトラクションの内容が主催地に委ねられているため、お国柄があらわれる部分でもある。
徳島県でのオープニングセレモニーは、舞台上で、お囃子入りの数十名による賑やかな阿波踊り。特別講演は、徳島県内で約九百もあるという阿波踊りの集団「連(れん)」を統括する連長による「熱き踊り、進化する阿波踊り」。懇親会は、連長率いる「娯茶(こじゃ)連」が、立食パーティ会場をぐるりと取り巻いて踊る阿波踊りと、阿波踊りづくしであった。
懇親会の宴も最高潮に達した頃、回りの踊り手たちが、各テーブルから参加者の手を引き、踊りの輪に連れ込んだ。有無を言わせず私も拉致された。ほろ酔い加減で、前の女性の踊り子さんをまねて、円陣を進んでいるとだんだん楽しくなってきた。なんとカチャーシーの動きによく似ている。カチャーシーよりは少し腰を落として、内股に足を運び、足と反対の手を交互に動かす所作である。踊りが終了すると、マイクから「上手に踊った方に、連長直筆の「名取り賞」を授与しますので、舞台にご登壇下さい。」とのアナウンスがあり、私の名前も呼ばれた。連長から賞状をいただいた。その後が大変だった。
「これから名取りの踊りを披露します。」と数名が舞台上で円になって踊らされたうえ、「踊りながらお席へお戻り下さい。」と市中引き回しのような目にあった。
続きがある。三ヶ月後、別の会合が徳島市で開かれ、二次会は阿波おどり会館に案内された。ここでも踊りの鑑賞後、観客に参加を呼びかけており、舞台に上げられた。威勢がいいお囃子のせいか、調子に乗って踊っていると、そのうち首にレイをかけられ、数人が優秀賞を頂戴した。踊りを習ったことも無いのに不思議だ。単に乗り易いタイプかも。
次回は沖縄県で初の大会開催が予定されていた。そして先月(十一月八日)、四十七都道府県から一千余名のお客様をお迎えして開催された。
オープニングは、県内の若者たちの躍動感溢れる歌や踊りを見てもらうため、勝連の中高生の演舞で知られる「肝高(きむたか)の阿麻和利(あまわり)」を演じた卒業生等による「現代版組踊」。
特別講演は、沖縄県の文化・観光・スポーツ部長平田大一氏の、横笛を吹き、太鼓をたたき、歌いながら講話を行う「現代版躍(おどり)奉行」。講演終了後、スタンディングオベーションがあった。また、現在、複数の県から平田氏へ講演依頼があるようだ。
懇親会は、四つ竹などの琉舞を披露し、無事に大会の幕を閉じた。
金城弘子
昨年十一月、徳島県で業界の全国大会が開催された。全国から約一千人の会員が参集した盛大な会合だった。
大会のプログラム中、オープニングセレモニー、特別講演、会議終了後の懇親会でのアトラクションの内容が主催地に委ねられているため、お国柄があらわれる部分でもある。
徳島県でのオープニングセレモニーは、舞台上で、お囃子入りの数十名による賑やかな阿波踊り。特別講演は、徳島県内で約九百もあるという阿波踊りの集団「連(れん)」を統括する連長による「熱き踊り、進化する阿波踊り」。懇親会は、連長率いる「娯茶(こじゃ)連」が、立食パーティ会場をぐるりと取り巻いて踊る阿波踊りと、阿波踊りづくしであった。
懇親会の宴も最高潮に達した頃、回りの踊り手たちが、各テーブルから参加者の手を引き、踊りの輪に連れ込んだ。有無を言わせず私も拉致された。ほろ酔い加減で、前の女性の踊り子さんをまねて、円陣を進んでいるとだんだん楽しくなってきた。なんとカチャーシーの動きによく似ている。カチャーシーよりは少し腰を落として、内股に足を運び、足と反対の手を交互に動かす所作である。踊りが終了すると、マイクから「上手に踊った方に、連長直筆の「名取り賞」を授与しますので、舞台にご登壇下さい。」とのアナウンスがあり、私の名前も呼ばれた。連長から賞状をいただいた。その後が大変だった。
「これから名取りの踊りを披露します。」と数名が舞台上で円になって踊らされたうえ、「踊りながらお席へお戻り下さい。」と市中引き回しのような目にあった。
続きがある。三ヶ月後、別の会合が徳島市で開かれ、二次会は阿波おどり会館に案内された。ここでも踊りの鑑賞後、観客に参加を呼びかけており、舞台に上げられた。威勢がいいお囃子のせいか、調子に乗って踊っていると、そのうち首にレイをかけられ、数人が優秀賞を頂戴した。踊りを習ったことも無いのに不思議だ。単に乗り易いタイプかも。
次回は沖縄県で初の大会開催が予定されていた。そして先月(十一月八日)、四十七都道府県から一千余名のお客様をお迎えして開催された。
オープニングは、県内の若者たちの躍動感溢れる歌や踊りを見てもらうため、勝連の中高生の演舞で知られる「肝高(きむたか)の阿麻和利(あまわり)」を演じた卒業生等による「現代版組踊」。
特別講演は、沖縄県の文化・観光・スポーツ部長平田大一氏の、横笛を吹き、太鼓をたたき、歌いながら講話を行う「現代版躍(おどり)奉行」。講演終了後、スタンディングオベーションがあった。また、現在、複数の県から平田氏へ講演依頼があるようだ。
懇親会は、四つ竹などの琉舞を披露し、無事に大会の幕を閉じた。
Posted by 沖縄エッセイスト・クラブ会員 at 00:00
│会報がじまん